説得のコツは“納得”させること!相手を説得するための6つの方法
2018/01/11
自分の言いたいことが言えずに、困っている人は多いですよね。自己主張が出来ずに、いつも損をしてしまっていませんか?他人を説得することが出来ないのであれば、自分にとって不利な状況になることが多いです。
- 新しい車を買いたいが妻が許してくれない
- 犬を飼いたいが両親に反対される
- 新プロジェクトを始めたいが上司の許可が出ない
- 部下が思うように動いてくれない
このように、日常生活をしていると、誰かを説得しなくてはならない状況は必ずあります。人によって考え方が異なるために、何でも自分の思うようにいくことが無いからですね。
こういった状況で、無理に自分の主張を押し付けても、黙って従ってもらえることは無いでしょう。強引に押し通すことができるかもしれませんが、その後の人間関係に影響が出てしまいます。
説得とは、無理に押し付けることでなく、相手に納得してもらうことです。
相手が喜んでOKを出してくれなければ、説得とは言えません。だから、正しい説得方法をマスターすれば、人間関係が壊れることは無いということですね。
相手に遠慮して説得できないという人は、正しい説得術を覚えるようにしてください。ここでは、説得するための方法について解説をします。
目次
正しい説得とは“納得”してもらうこと
「説得」という言葉を聞くと、自分の思うように相手を動かすというニュアンスがありますよね。なので、自分の主張を強引に押し付けようとする人が少なくありません。
しかし、それだと相手は反発するでしょうし、無理に合意させたとしても不信感や警戒心を持たれてしまうでしょう。特に、ビジネスの商談の場面などであれば、こういったやり方では上手くいくはずがありません。
なので、正しい説得方法としては、相手に納得してもらうことが大切です。
納得というのは、相手が心から理解して自発的に行動してもらうとうニュアンスがあります。これであれば、相手は喜んで行動してくれますから、関係性が壊れることは無いでしょう。
たとえば、『太陽と北風』という昔話を知っていますか?
太陽と北風が、旅人のコートを脱がせる対決をするというストーリーです。北風は強風を拭かせてコートを飛ばそうとしますが、旅人は必死で踏ん張ろうとするので脱がせることができません。
一方、太陽は温度を上げて暑くしたので、旅人は自分からコートを脱いでしまいました。
これは、人を説得する方法を上手く表現した物語ですね。強引に説き伏せようとしても、相手は必ず反発してしまいます。なので、自分から行動するように仕向けることで、相手はスムーズに動いてくれるわけですね。
この知識を持っていれば、説得上手になることができます。説得が上手い人は、相手を納得させることが上手いわけです。なので、相手目線で考えると、説得力の高い話し方になることができるでしょう。
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他人を説得するための6つのコツ
3つ以上の根拠を用意する
簡単に説得力を持たせるための方法として、根拠を3つ以上用意するということがあります。根拠が1つしかないよりも、たくさんあった方が信憑性がありますよね。なので、根拠の数は多い方が、説得しやすいということです。
その時に注意するポイントとして、根拠に正当性があるかどうかや根拠同士に矛盾が無いようにチェックしないといけません。公的機関が出しているデータなど、信頼性が高いものを出すようにしましょう。
そうすれば、高い説得力を持つことが出来ます。
図やグラフを多用する
プレゼンなどの商談であれば、視覚的な効果を狙った方が良いです。たとえば、図やグラフ、表などを使用することで、具体的にイメージしやすくなるでしょう。文字や言葉だけでは伝わらない部分でも、視覚効果を狙えば伝わりやすくなります。
なので、ビジネスの場面で説得するのなら、ビジュアル要素を使った資料の作成を意識してください。見た目のインパクトもアップするので、好印象を残すことができるでしょう。
相手のタイプを見極める
説得する相手が、何に対して心が動きやすいのかを見極めましょう。一般的に、人が動くときには、4つの欲求があるとされています。
- 得するかどうか?
- 褒められるかどうか?
- 社会的価値があるかどうか?
- 自分が好きかどうか?
これらを知って、自分の相手が何に関心を持っているのかを探りましょう。そして、それと目的を結びつけることで、説得しやすい状況となります。
人は価値を感じれば、嫌でも行動をしてくれます。だから、相手の価値観を調べておいて、そこを刺激することで動かしやすい状況となるはずです。
共感する
相手と気持ちを共有することで、距離感を縮めることが出来ます。
つまり、相手と同じ価値観で会話することで、納得してもらいやすくなるということです。共通の趣味などがあると良いですね。同じ話題について話すことで距離感を縮めつつ、自分の主張を伝えるようにしましょう。
一般的に、人は自分にとって都合の良いことしか聞き入れようとしません。なので、気持ちに共感していない状態だと、話を聞き入れてくれる可能性は低いと言えるでしょう。まずは、相手の立場に立って、共感することから始めてください。
問題と解決によるメリットを提示する
問題点が明確でないままで、説得をしてはいけません。問題点が漠然としたままで、話を進めようとする人はかなり多いです。なので、「何が問題なのか?」ということを、明確にすることから始めるようにしてください。
例えば、仕事であれば「売り上げは伸びているけど、リピート客が少ない。既存客からの購入を促す施策が必要だね」といったように、問題を明確に相手に認識させます。これをして初めて、説得のスタートとなります。
そして、問題を提示した後に、解決によるメリットを提示しましょう。たとえば、「リピート客が増えれば、売り上げは30%増加するだろう」といったことですね。分かりやすいメリットを伝えることで、相手は動いてくれやすくなります。
デメリットも正確に伝える
誰かを説得しようとすると、マイナスの部分については触れたくないですよね。できるだけ良いことばかりを使えて、好印象を与えようと努力をするはずです。しかし、大抵の場合、これだと逆効果となってしまいます。
なぜなら、この世に完璧なものなど存在しないからです。
良いことばかり伝えすぎると、「裏に何かあるかも?」と不安になってしまいます。ウマい話には裏があると言われるように、メリットを強調しすぎると警戒されてしまうでしょう。
なので、デメリットについても隠さず伝えることが大切です。伝え方としては、「この商品には、●●のデメリットがあります。でも、○○のメリットがあるから大丈夫ですよ」とするのがポイントとなります。
デメリットはあるけど、それ以上のメリットがあると伝えるわけです。そうすれば、デメリットは無くなったのと同じとなりますよね。こういった伝え方をすれば、誠実な印象を与えられるので、納得してもらえる可能性が高いでしょう。
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説得のための心理技術
先に与える
心理学の用語で、『返報性の法則』というものがあります。これは、他人から行為を受けると、お返しをしないといけないと考える心理のことです。
たとえば、スーパーの試食コーナーなどでは、無料で試食させてもらえます。そうすることで、「買わないと申し訳ないな」と思う人がいて、一定の割合で売り上げが上がっていくんです。
なので、率先して相手には親切にするようにしましょう。そうすれば、相手は申し訳ないという気持ちが生まれるので、こちらに協力しようとしてくれます。
ラポールを築く
ラポールとは、相手との間の架け橋という意味で、信頼関係を構築するということです。
どのように信頼関係を築くのかというと、ミラーリングというテクニックを使います。これは、相手と同じ動作をすることで、親近感を持たすことが出来るテクニックですね。
- 相手と同じしぐさをする
- 相手と呼吸を合わせる
- 相手の感情に合わせる
上記のようなことをすれば、潜在的に距離感が近づくようになります。これは、営業の現場などで実際に使われているもので、説得に対して非常に効果があります。ですから、相手に合わせるといったことを、意識するようにしてください。
選択のマジックを使う
人は選択肢を与えると、それしか答えが無いと思い込む傾向にあります。たとえば、「YESかNOか」という問いをした場合、たいていの人は「YES」か「NO」で答えます。でも、厳密にいうと「どちらともいえない」という回答もありますよね。
しかし、「YESかNOか」という問いだった場合、この二択しか答えが無いと錯覚するわけです。なので、上記でお伝えしたテクニックで根拠を明確に伝えたり、信頼関係を築いた後で、「YESかNOか」という選択を迫った場合、「YES」と答えてくれる可能性が高くなります。
つまり、「どちらともいえない」という回答は、相手の中で無くなってしまうわけです。これは、非常に有効な手法ですから、ぜひ使ってみてください。
要求の大きさを調節する
説得手法で有名なもので、『フット・イン・ザ・ドア』というテクニックがあります。
これは、最初に小さな要求を受け入れてもらい、その後に少しずつ要求を大きくしていくものです。こうすることで、相手の心理障壁が下がるために、受け入れてもらいやすくなるんですね。
たとえば、「100円貸してくれない?」と頼んでから、「あっ、携帯の支払いがあるんで、もう10,000円貸してくれない?」と頼むわけです。一度OKしてしまうと、その後の要求も受け入れてもらえる可能性が高くなります。
真逆の手法として、『ドア・イン・ザ・フェイス』という方法もありますね。
これは、最初に大きな要求をして断られた後で、小さな要求を出すという方法です。相手は最初に断ってしまっているので、次の要求は断りづらくなってしまいます。
例を出すと、「10,000円貸してくれない?」といって断られてから、「じゃあ、1,000円で良いから貸して」と言います。相手からすると、ハードルが下がっているので、要求に応じやすくなるということですね。
このように、要求の大きさを調節することで、自分の意見を受け入れてもらいやすくなります。ただ、この方法は少し強引なテクニックですから、使用するときには注意してください。
他人を説得するために役立つ本
影響力の正体
説得するための心理学に、焦点を当てた本です。主に、仕事で交渉を行う営業マンの人には、非常に役に立つ内容となっています。相手にイエスと言わせるために、知っておくべき心理を知ることができますね。
同じ著者のベストセラーに「影響力の武器」がありますが、それを再編集たものです。翻訳が分かりやすくなっていたり、新しい事例も追加されていたりするので、すごく読みやすい内容だといえるでしょう。
「困った人」の説得術
人間を5つのタイプに分けて、それぞれの特徴にあった説得術が紹介されています。相手に合わせて説得方法を変えることができるので、かなり高い確率で動いてもらえるようになるはずです。
特に、自分の周りに迷惑な人がいる場合には、迷惑行為を止めさせることができるでしょう。人間関係のトラブルを抱えている人に、ぜひ読んでもらいたい本ですね。
以上、相手を説得するための技術を紹介しました。
仕事やプライベートなど、いろんな場面で説得は必要となります。
営業やプレゼンではもちろん、日常生活で家族との交渉なども、たくさんありますよね。夕飯のおかずを決めたり、車の買い替えで妻の承諾を得たりなど、説得をする機会は毎日のようにあります。
なので、説得力を身に付けることは、全ての生活に役に立つということです。ストレスなく生活をしたいのであれば、説得の能力は必要不可欠となります。ぜひ、身に付けるようにしましょう。
photo credit: Kalexanderson|Negocjacyjnego|Selfology