寝ても寝ても眠い人へ。日中に眠気が止まらないのは低体温が原因かも?
グッスリと眠ったのに、日中に眠気が止まらないことがありますよね。仕事や勉強が手につかなくなってしまうので、生活に支障が出ることがあります。また、あくびばかりしていると、やる気が無いと思われてしまうこともあるでしょう。
疲れが溜まっている時などは、少し寝ても足らないことがあります。ただ、毎日のように眠気が無くならないのであれば、何らかの原因があると思って間違いありません。もしかすると、病気である可能性もあるので、気を付けるようにしてください。
ここでは、眠気が止まらない状態を改善する方法を紹介します。
目次
生活習慣の乱れは睡眠の大敵!
夜更かしをすることが多い
現代社会は、インターネットやコンビニなどが普及しているので、夜遅くまで起きている人が多いですよね。あるデータによれば、小学生でも深夜0時以降まで起きている子供が増えているようです。
夜遅くまで起きていると、単純に睡眠時間が短くなってしまいます。なので、日中に眠くなってしまうことが多いでしょう。
また、自律神経が乱れてしまう原因にもなります。
自律神経には、身体を活発に活動させる交感神経と、身体を休息させる副交感神経とがあります。夜になると副交感神経によってリラックスして眠くなり、明け方になると副交感神経が働いて体が活発になり目覚めるのが通常です。
しかし、夜型の生活を送っていることで、自律神経のバランスが崩れてしまいます。すると、夜中に交感神経が活発になって眠れなくなったり、日中に副交感神経が働いて眠くなったりするわけです。
そのため、できるだけ朝型の生活を心がけなくてはいけません。
睡眠時間が長すぎる
休日などで10時間近くも寝たのに、ぜんぜん寝足りなかったという経験はありませんか?頭が痛くなったり、体がだるくなったりすることもあるでしょう。
実は、睡眠時間が長すぎると、逆に体が疲れてしまいます。なので、眠りが浅くなってしまい、脳が十分に休息をとることができないわけです。休みの日に寝溜めをしてしまうと、逆効果になるので気を付けてください。
また、睡眠時間が長い人は死亡率が高いというデータもあります。10時間以上寝ている人は、4~5時間の人よりも死亡率が高くなっています。そして、4時間以下の人も、死亡率が高くなるようです。
ベストなのは7~8時間といわれているので、自分なりに睡眠時間を調節してみてください。
体温が低くなっている
通常、人間の体温は朝起きた時は36度程度の低い状態で、日中になるにつれて36.5度くらいまで上昇します。そして、夜になると少しずつ低下していくというサイクルとなっています。
人は体温が下がると眠りやすくなり、体温が上がると覚醒しやすくなるわけです。なので、体温のリズムが正常な人は、朝はスッキリと起きることができ、夜はすぐに眠ることができるんですね。
しかし、この体温リズムが崩れてしまうと、睡眠の質が著しく低下してしまいます。夜に覚せい状態になってしまったり、日中に眠気が襲って来たりすることがあるでしょう。
実は、寝ても寝ても眠いという人は、低体温である可能性が高いです。常に体温が低い状態だと活動量が低下しますし、睡眠覚醒のサイクルも乱れてしまうからですね。
低体温状態は自覚するのが難しいので、日頃から体温が下がらないように意識をする必要があります。
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低体温になってしまう4つの原因と対処法
冷房のかけすぎ
夏場に冷房をかけると思いますが、室温が下がりすぎると低体温になってしまう可能性があります。人間の体は体温が上がりすぎないように、夏季は産熱しにくい状態となっています。
なので、室温が低すぎると、体温も下がりやすくなるわけですね。自宅ではこまめに温度調節をする必要がありますし、オフィスが寒い時には膝掛けや上着などを利用して体温を維持できるようにしてください。
食生活の乱れ
食べるものによって、体温は大きく変化します。暖かいものを食べれば体温が上がりますし、冷たいものを食べると体温は下がりますね。だから、体温よりも冷たいものは、なるべく口にしないことをおススメします。
また、東洋医学においては、体を温める「温性」の食べ物と体を冷やす「冷性」の食べ物があるとされています。野菜を例に出すと、色の濃い野菜は温性、色の薄い野菜は冷性です。
食材を選ぶ時には、温性のものを選ぶようにしてください。
運動不足
身体を動かさない状態が続いていると、全身の筋肉は衰えてしまいます。筋肉を動かすことで熱を生むのですが、筋肉量が少なくなると体温が下がりやすくなるわけです。
特に、下半身の筋肉は全体の70%ほどを占めており、これが低下してしまうと心臓に血液を戻せなくなり血行が悪くなります。血行が悪くなると全身の臓器の働きも弱くなるので、体温は下がる一方ですね。
デスクワークが中心の人は、下半身の筋肉が弱くなりがちです。ですから、日頃から歩く時間を増やすようにして、筋力を維持できるようにしましょう。
お風呂はシャワーだけで済ます
お風呂に入ることで体温を上昇させることができますが、シャワーを浴びるだけでは十分な効果は得られません。シャワーで皮膚の表面だけを温めると、放熱してしまうので逆に体温が下がりやすくなるわけです。
そのため、夏場であっても湯船に浸かることをおススメします。40度のお湯に10分浸かるだけで、体温は2度上昇すると言われています。体温を上げるためには、最も効果的な方法です。
また、湯船に浸かって体を温めれば、副交感神経が優位になって眠りに入りやすい状態になります。深く眠ることができるようになるので、日中の眠気も解消されやすくなるはずです。
飲み物に気を付けて体を温める!
低体温の状態を防ぐためには、飲み物に気を付けましょう。冷たい水やジュースなどを飲んでいると、体温は下がる一方です。だから、身体を温める飲み物を選ぶようにしてください。
ホットミルク
ホットミルクを飲むことで、身体を温めることができます。さらに、牛乳にはトリプトファンという成分が含まれており、これに安眠効果があるとされています。
体内に入ったトリプトファンは、セロトニンという物質になり、それが代謝されてメラトニンになります。メラトニンは眠りを誘導するホルモンなので、これが増えることで睡眠の質が上がるわけです。
また、牛乳に含まれるカルシウムやペプチドには、精神を安定させてリラックスさせる働きもあります。なので、眠りに入りやすい状態を作ることができますね。
だから、食後や寝る前などに、ホットミルクを飲むと良いでしょう。
蓮の葉のお茶
蓮の葉には、数種類のアルカロイドが豊富に含まれています。これによって自律神経が正常化して、精神を安定させる効果があります。
ベトナムなどでは、蓮の葉茶は不眠症の薬として利用されているようです。実際に、ベトナムの大学での実験により、蓮の葉茶による不眠症の改善効果が実証されています。
熱めのお湯で蓮の葉茶を作って、飲んでみてください。体温の上昇と安眠効果で、睡眠の質が変わってくるはずです。
ウイスキーのソーダ割り
お酒を飲むことで、体温を上昇させることができます。飲みすぎると眠りが浅くなってしまいますが、適量であれば睡眠の質も向上するでしょう。
おススメなのが、ウイスキーののソーダ割りです。アルコール度数が高いのですぐに体が温まりますし、炭酸が胃を刺激するので内臓が活発になり体温が上がりやすくなります。
また、砂糖を少し加えることで、甘さでリラックス効果も得られますね。寝る前にコップ一杯飲むようにすれば、熟睡することができるはずです。タイミングとしては、寝る1時間前くらいが良いでしょう。
くれぐれも、飲み過ぎないように注意してください。
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食生活を変えれば低体温を解消できる
平熱でも36度以下の低体温の人は、10~20代の若者を中心に増えているようです。日中に眠気が止まらない人も、低体温を疑った方が良いでしょう。身体の代謝が低下すると体温が下がりやすくなるので、生活習慣を見直すようにしてください。
特に、食生活は重要な要素です。朝食を抜いたり栄養が不足していると、体内で熱が発生しません。特に、朝食を食べないと、体のエンジンが掛からないので体温が低いままとなってしまいます。
また、栄養バランスが悪いことで精神にも悪影響を与えるので、睡眠の質を悪くしてしまうわけです。だから、規則正しい食生活を意識することが、何よりも大切なことだといえますね。
ビタミンB12
ビタミンB12は「神経ビタミン」とも呼ばれており、自律神経のバランスを整える働きがあります。また、神経伝達物質のセロトニンの生成にも作用するので、不眠症の予防にも効果的です。
多く含まれる食品としては、納豆や味噌などの大豆製品、サバやイワシなどの魚介類、牛乳やチーズなどの乳製品などがあります。和食を食べるようにすれば、自然とビタミンB12を多く摂取できるはずです。
血行を促進する効果もありますから、日中に体を温めて夜に眠りやすい状態を作ることができますよ。
サフラン
サフランとは、パエリアやブイヤベースなどのスパイスとして利用されるものです。サフランライスなどで、食べたことがある人も多いでしょう。このスパイスには、脳の機能を高めたり、高血圧や動脈硬化などに効果があるとして注目されています。
そして、睡眠の質を高める作用もあるので、不眠症の人を対象とした健康食品なども販売されているようです。代謝をアップさせて身体を温めるので、低体温も解消されるでしょう。
おススメの摂取方法としては、「サフラン水」を飲むことです。ペットボトルの水に、サフランを2~3本浸しておくだけで完成します。日頃から飲むようにすれば、効率よく摂取することができますよ。
グリシン
人間は、深い眠りである「ノンレム睡眠」と、浅い眠りである「レム睡眠」を交互に繰り返しています。ノンレム睡眠とレム睡眠を交互に4~5サイクル繰り返して、朝に覚醒するのが正常な状態です。
しかし、低体温の人はレム睡眠が繰り返されて、脳と体が十分に休まらないまま目覚めてしまっています。だから、日中に眠気が襲ってくるわけですね。
グリシンという成分を摂取すれば、ノンレム睡眠が高い確率で現れることが分かっています。なので、しっかりと休息を取ることができ、日中に活動的となり体温が上昇するということです。
グリシンが多く含まれる食品は、クルマエビや伊勢海老、ウニやホタテなどの魚介類などがあります。また、肉類にも豊富に含まれていますね。
栄養補給にはサプリメントを使おう
栄養バランスの良い食事をするのが大切だと説明してきましたが、なかなか難しかったりしますよね。仕事などが忙しかったりすると、ジャンクフードや加工食品が多くなってしまいがちです。
そういった場合には、サプリメントを利用してください。先述した、トリプトファンやグリシンなども、効率よく摂取することができます。
睡眠の質を高めるサプリメントはたくさん発売されているので、そういったものを使えば日中に眠くなることも防げるはずです。継続的に栄養補給をするのなら、サプリメントは欠かせません。
当サイトでは、数種類の睡眠サプリを比較検証しているので、参考にしてみてください。
それでも改善しないなら病気かも
生活習慣を見直しても眠気が改善されないなら、何らかの病気である可能性があります。これが進行すると日常生活に支障をきたすようになるので、早目に医師の診察を受けるようにしてください。
考えられる病気としては、以下の2つがありますね。
ナルコレプシー
ナルコレプシーとは、十分な睡眠を取ったのに、昼間に耐えられないほどの眠気に襲われてしまう病気のことです。電車で立っている時や誰かと話している時など、通常ではありえない状況でも眠ってしまいます。(睡眠発作)
また、笑ったりしたときに全身の力が抜けてしまう情動脱力発作、睡眠中に金縛りにあうなどの症状が出る場合もあります。主に10代の若者に多い病気で、1,000人に1人の割合で発症すると言われています。
ナルコレプシーに特徴的な症状として、びっくりしたり大笑いしたときに全身や身体の一部の力が抜けてしまうカタプレキシー(情動脱力発作)、寝入りばなに出現する幻覚様の体験(入眠時幻覚)、寝入りばなに出現する金縛り(睡眠麻痺)があります。
引用:厚生労働省
ちゃんとした原因が判明していませんが、白血球のタイプにより発症しやすい人がいるようです。急に眠ってしなうなどの明らかな異常が見られるので、発症すればすぐに異変に気が付くでしょう。
睡眠時無呼吸症候群
メディアでもたびたび取り上げられることが多い病気なので、知っている人も多いはずです。睡眠中に上気道が閉塞してしまって、呼吸が止まってしまう症状のことを指します。
呼吸が止まったり浅くなった状態が続くことで、何度も睡眠が妨げられることになります。本人には自覚症状がないのですが、熟睡できていないために昼間に強い眠気に襲われてしまうわけです。
2003年にJR山陽新幹線で起きた列車の緊急停止事故は、睡眠時無呼吸症候群が原因だとして有名になりました。運転士が眠ったままで新幹線が走行していたわけですから、衝撃的な事件ですよね。
いびきをかく人が発症しやすいと言われているので、心当たりがある人は病院へ行ってみると良いでしょう。
以上、十分に寝ても眠くなる原因について紹介をしました。睡眠は疲労回復において重要な要素ですから、眠気が取れないのであれば疲れが取れていないということです。健康を害する可能性もあるので、早めに対処するようにしてください。
photo credit: Werribee Open Range Zoo|20130208-_MG_3940|kaisen-don