入社前辞退についての注意事項
ツイート色々な会社の面接を受けて、やっと内定をもらったとします。転職活動は長期になることもありますから、内定をもらえばホッとしますよね。そして、その後に入社日を決定して、後はその日を待つだけです。
しかし、数日後に第一志望の会社からも、内定をもらったとしたらどうでしょうか?先日の会社よりも条件が良かったら、こちらに入社したいと思いますよね。その場合、前の会社の内定を辞退しなくてはいけません。
でも、それには注意が必要です。下手をすると、損害賠償などに発展してしまう可能性があります。なので、内定を辞退するのであれば、十分に気を付けてください。
入社前辞退では、特に注意をするべき
最終選考の面接を受けて内定となった場合、入社を承諾したらすぐに入社日の決定を行います。一般的には、離職者の場合で翌月の1日から、在職者の場合で翌々月の1日からが最短の入社日になります。
そして、入社日を決定してから辞退をする場合は、「入社前辞退」と呼ばれます。入社の意思決定をせずに辞退するのであれば問題ありませんが、入社前辞退となると問題が大きくなりますから、しっかりと理解しておいてください。
入社前辞退で生じる損害について
入社前辞退をしてしまうと、採用予定だった企業には色々な損害が生じてしまいます。人を雇うという行為には、大きなお金が絡んでいるわけです。なので、辞退をするということは、今までかけたお金が無駄になってしまうという事です。
具体的には、以下のような損害が発生します。
設備投資
新しい社員を雇う場合、その人のための机や椅子、パソコンなどの備品を揃えなくてはいけません。入社日が決定してから発注されることが多いので、辞退をするとそれらのコストが損害として発生します。
新たな取引き
入社日が決定すると企業は人的リソースが増えるので、新しい契約を受注するかもしれません。新入社員をその業務に使うために、仕事を増やすわけです。しかし、入社が無くなってしまったら、それらの仕事ができなくなってしまいます。なので、契約不履行となって損害が発生する可能性があります。
以上のように、入社前辞退をすると、金銭的な損害が発生する可能性が高いわけです。最悪の場合、企業から損害賠償の請求をされる場合があるので、十分に注意しないといけません。
辞退は2週間前までがボーダーライン
法的な話をすれば、入社の2週間前までに辞退の旨を連絡すれば、損害賠償は発生しないことになっています。(民法627条1項)会社によっては引き留めをされると思いますが、法的な拘束力はありませんからキッパリと断ってください。
ただし、入社前に研修などを受けているのなら、注意しなくてはいけません。研修後に内定辞退を申し出ると、会社の内部情報やスキルの持ち逃げだと判断される可能性があります。その頃には担当者と仲良くなっているでしょうから、断りづらい空気感となってしまうでしょう。
もしも、2週間を切ってしまったら、損害賠償を請求される可能性が高いです。先述の通り、内定を辞退すると企業には大きな損害が発生します。なので、それを賠償させられる可能性があるわけですね。
損害賠償のリスクを避けるために
万が一、辞退する必要が出た場合は、出来るだけ早く辞退の旨を先方に伝えるようにしてください。入社日に近づくにつれて、企業は色々な準備を進めます。なので、連絡が遅れるほどに、損害の額も増えてしまうわけです。
連絡をするときには、電話で伝えるのがベストですね。連絡せずに会社に訪問すると、逆に迷惑となる場合があります。辞退の連絡はスピードが重要ですから、何よりもまず電話で辞退の旨を伝えるようにしましょう。
色々と文句を言われるかもしれませんが、悪いのは自分なので誠心誠意の謝罪を行ってください。辞退の理由を伝えないと納得してもらえないので、明確に理由を伝えることも大切ですね。「自分には合わないと思った」「他の企業から内定をもらった」など、正直に説明をすれば分かってもらえるはずです。
ただ、最も大切なことは、辞退をしないということです。確実に入社できると思った場合にのみ、入社の意志を伝えるようにしましょう。軽い気持ちで入社を承諾してしまうと、後で大きな問題に発展する可能性があります。
企業は横の繋がりがあったりするので、内定辞退をすることで業界内に自分の悪い噂が広まるかもしれません。そうすると今後の転職活動で不利となるので、不誠実な行動はしないことが大切だといえるでしょう。
以上、入社前辞退のリスクについて紹介しました。無責任な行動をすると色々な人に迷惑が掛かりますから、できるかぎり辞退はしないようにしましょう。社会人として、責任のある行動を取れるようにしてください。
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