雇用保険に未加入だったら?雇用保険に入ってない会社で失業給付をもらう方法
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会社が倒産したり家庭の事情などで、退職せざるを得ない状況があると思います。
急に仕事を失ってしまうと、収入が無くなるので生活に困ってしまいますよね。
しかし、そういった時のために雇用保険があります。
失業中に給付金をもらうことができるので、生活費の心配をすることなく転職活動をすることができるわけです。
会社都合退職なら1週間程度で、自己都合退職では3ヶ月後から、過去6ヶ月間の日当の50〜80%に相当する金額を受け取ることができます。
これなら、当面の間は生活は安泰だといえるでしょう。
ただ、中小零細企業では、雇用保険に未加入である場合が多くなっています。
会社で雇用保険に加入していなければ、失業給付を受け取ることができません。
後から気付いても遅い場合が多いので、早い段階で雇用保険に加入しているかを確認してください。
ここでは、会社が雇用保険に未加入だったときの対処法を紹介します。
目次
雇用保険とは、失業中の生活費の心配を無くして、転職活動に集中することができるように給付金を支給してもらえる制度のことです。
また、失業中の教育訓練をサポートしたり、再就職が決定した際に一時金を支給したりもしますね。
雇用保険で得られる給付金は、以下の4つがあります。
求職者給付 | 失業時の生活のための基本手当 |
---|---|
就職促進給付 | 基本手当の受給資格のある人が再就職した時に支給される |
教育訓練給付 | 教育訓練に支払った費用の一部を支給する |
雇用継続給付 | 一時的に働けなくなった時に支給される |
詳しい内容については、「雇用保険手続きのご案内」を参照してください。
雇用保険の保険料は、毎月の保険料を会社と本人とで分担して支払う仕組みとなっており、会社員は健康保険や厚生年金などと一緒に給料から天引きされています。
社員を雇っている会社は必ず加入する義務があり、未加入の場合には「6か月以下の懲役、または30万円以下の罰金」という重い罰則があります。
また、パートタイムなどの非正規雇用でも、以下の条件を満たせば加入しなくてはいけません。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上の雇用見込みがある
この条件に該当するのに雇用保険に加入していないなら、早急に会社に確認をしてください。
そのままにしていると、失業した時に給付が受けられなくなってしまいます。
給料明細を見ると、雇用保険の他にも天引きされているものがあるはずです。
健康保険や厚生年金など、『社会保険』と呼ばれるものですね。
雇用保険と社会保険を混同する人が多いのですが、これらは全く種類の異なる保険となります。
もちろん、その役割も違いますから、内容について知っておいてください。
まず、会社員が加入している保険は、『労働保険』と『社会保険』の2つの分類されます。
労働保険 | |
---|---|
雇用保険 | 失業時に給付金が受けられる |
労災保険 | 労働災害時に給付金が受けられる |
社会保険 | |
---|---|
健康保険 | 医療費の一部負担や傷病・出産手当を受けられる |
厚生年金保険 | 老後に給付金が支給される |
労働保険は安心して働くための保険であり、社会保険は安心して生活するための保険だといえますね。
給与明細の控除欄を確認して、これらの保険料が天引きされるかをチェックしてください。
天引きされていなければ未加入ということになるので、しかるべき時に給付金を受け取ることができません。
※労災保険は事業主が全額負担なので天引きなし
1人でも社員を雇っている会社は、社会保険(健康保険・厚生年金保険)と労働保険(雇用保険・労災保険)に加入する義務があります。
先述の通り、未加入が発覚すると、重い罰則が科されてしまいます。
それなのに、社会保険に未加入の会社が存在しているのは、毎月の負担が大きすぎるからですね。
社会保険料は、社員の給料の数%を毎月の保険料として納めなくてはいけません。企業と社員とで折半して支払うのですが、これがかなり大きいわけです。
社員負担 | 会社負担 | |
---|---|---|
健康保険 | 4.985% | 4.985% |
厚生年金 | 8.560% | 8.560% |
雇用保険 | 0.5% | 0.85% |
労災保険 | - | 0.3% |
合計 | 14.045% | 14.695% |
全ての保険料を合わせると、企業側の負担は約15%にもなります。
たとえば、給料25万円の社員を雇った場合の保険料は、以下の通りです。
社員負担 | 会社負担 | |
---|---|---|
健康保険 | 12,462円 | 12,462円 |
厚生年金 | 21,400円 | 21,400円 |
雇用保険 | 1,250円 | 2,125円 |
労災保険 | - | 750円 |
合計 | 35,112円 | 36,737円 |
これを社員の人数分だけ毎月支払うわけですから、年間にすると莫大な経費となってしまいます。
小さな会社だと経営が苦しくなってしまうので、雇用保険をはじめとした社会保険に加入できないわけですね。
ただ、会社の事情は社員には関係ありませんから、何とかして社会保険に加入してもらわないといけません。
雇用保険に加入しているかどうかは、自分で調べることができます。
方法としては、以下の2つですね。
- 給与明細の控除欄で雇用保険料が記載されているか
- ハローワークで被保険者資格があるか調べる
最も簡単な方法は、給与明細を確認することです。
毎月の給料から雇用保険料が天引きされていれば、加入していることになります。
ただし、保険料を天引きするだけで納付していない悪徳な会社も存在するようです。
これだと雇用保険に入っていると思っていても、いざ失業した時に基本手当が受けられないといったことになりかねません。
確実に雇用保険の加入の有無を調べるには、ハローワークで調べてもらいましょう。
ハローワークへ行くと「雇用保険被保険者資格取得届出確認照会票」という用紙があるので、そちらに必要事項を記入して身分証と一緒に提出してください。
書類を提出すれば「雇用保険被保険者資格取得届出確認照会回答書」が発行されて、雇用保険の加入の有無が判明します。
足を運ぶ時間が無い時には、郵送でも受け付けてもらえるようです。
もしくは、代理人に依頼するなら、委任状が必要となりますね。
雇用保険の未加入が発覚したら、早急に加入手続きをしてもらいましょう。
実は、雇用保険は過去2年間に遡って未納分を支払う義務があります。
なので、現在未加入だとしても、過去2年分の保険料を支払うことで保険を受ける権利を得ることができるわけです。
ただし、雇用保険は、加入期間によって失業給付を受けられる日数が異なります。
【加入期間ごとの失業給付の上限日数】 | |
---|---|
20年以上 | 150日 |
10年以上20年未満 | 120日 |
10年未満 | 90日 |
つまり、会社で10年以上勤めたとしても、退職の前後に後納制度を利用すると2年までしか加入期間としてカウントされません。
本来なら120日まで失業給付を受けられるはずなのに、90日までしか受給できなくなってしまいます。
30日も少ないということは、1ヶ月分の収入が無くなるのと同じことです。
転職活動にも影響しかねないので、雇用保険に加入するなら早い方が良いということですね。
なるべく早いうちに社長や上司を説得して、雇用保険に加入してもらうようにしましょう。
でも、自分からは言いづらい雰囲気があるかもしれません。
会社としても負担が増えますから、安易に説得に応じたりはしないでしょう。
そういった場合には、ハローワークへ伝えることで、会社を指導してもらうことができます。
公的機関からの指導が入れば、会社としても加入せざるを得ないはずです。
自分が退職した後でも構いません。
給料明細などでその会社に勤めていたことを証明できれば、失業給付を受け取ることができます。
ただし、雇用保険は社員の負担もあるので、自分自身も過去2年分の保険料を納めなくてはいけません。
会社側から請求されるはずですから、その時は支払うようにしましょう。
といっても、月当たり2,000円以下の場合が多いので、2年分でも5万円以下で済むことがほとんどです。
なので、未加入の場合には、ちゃんと加入させるように会社に働きかけることが重要です。
会社が雇用保険に入っていないことで、失業給付を受けられない人は少なくありません。
特に、加入を求めているのに拒否し続けるのは、会社として非常に悪質なケースだといえます。
こういった場合には、会社に対して損害賠償を請求することができますよ。
そもそも、雇用保険に未加入というのは、「6か月以下の懲役、または30万円以下の罰金」という罰則がある重大な違法行為です。
失業給付を受けられないことで損害を受けたなら、それを補償してもらうのは当然の権利でしょう。
弁護士に依頼をして、会社に対して失業給付と同等の金額を請求してください。
会社を辞めて転職するなら、福利厚生のしっかりしている会社に入れるようにしてください。
ひどい会社だと健康保険や年金にも未加入だったりするので、それでは正社員として働く意味がありません。
仕事の責任だけ追わされて、何の補償も無いのならフリーターの方がマシです。
なので、転職するときには応募先企業を見極めるようにしてください。
ただ、求人票に「社会保障完備」などと書かれていても、本当に保険に加入しているかどうかは分かりません。
毎月の給与から保険料を天引きしているだけで、実際には加入していないという会社もあるからです。
良い会社に入れるかどうかは、ギャンブル的な要素が強いと言えます。
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