安定性の高い会社を見分ける方法とは?

安定性の高い会社を見分ける方法とは?

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転職先の企業を探すときには、出来るかぎり安定した会社が良いですよね。借金が多くて経営が危ない会社だと、リストラや倒産のリスクがあります。でも、求人情報や会社のホームページを見ても、その会社が本当に安全なのかは分かりません。

 

そこで、財務諸表を見ることで、その会社の経営状況を判断することができます。数字ばかりで難しいと思うかもしれませんが、特定の箇所をチェックするだけで大まかな経営状況が分かります。

 

ここでは、財務諸表のチェック方法を紹介します。

 

貸借対照表を見る

 

貸借対照表とは、企業の資産や負債、純資産などの状態が記載された表となります。別名、バランスシートとも呼ばれます。株式会社では決算公告が義務付けられているので、貸借対照表を開示しなくてはいけません。

 

安定性の高い会社を見分ける方法とは?

 

自己資本比率

純資産合計÷負債純資産合計×100

 

純資産の割合が多いほど、借金が少なくて安全な会社だといえます。一方、この比率が少なすぎると、資金繰りが苦しくなって経営破たんのリスクが高まります。目安としては、40%以上であれば健全な会社だと言えるでしょう。

 

 

固定比率

固定資産合計÷純資産合計×100

 

固定資産のうち、自己資本の割合を示す数値です。この数値が低いほど、自己資本で設備や土地などをまかなっている事になります。逆に、これが高いと借金が多くなっているので、無駄な設備投資をし過ぎているということになります。

 

目安としては、120%以下が適正だといえます。200%を超えてしまうと設備投資が過剰ということなので、チェックするようにしましょう。

 

 

流動比率

流動資産合計÷流動負債合計×100

 

企業のキャッシュフローを示す数値です。この割合が大きいほど、1年以内に返済するお金の目途が立っているということです。手元にお金が多く残っているということなので、緊急時にも対応する体力があります。

 

しかし、この数値が低いと自転車操業になっている可能性があるので、経営状況は危険だと言えます。目安としては、150%以上が理想ですね。100%を下回ると、要注意です。

 

 

損益計算書を見る

 

損益計算書とは、その会社が1年間にどれだけの利益を出したかを示すものです。また、P/Lと呼ばれることもあります。会社の成長性や将来性が分かる資料なので、必ず目を通すようにしてください。

 

安定性の高い会社を見分ける方法とは?

 

売上高経常利益率

経常利益÷売上高×100

 

その会社の収益力を示す数値です。この割合が高いほど効率よく収益を出しているということなので、かなり安定性が高い会社だといえます。上場企業の平均値としては、5%ほどとなっています。10%を超えているようであれば、かなり良い企業だと言えるでしょう。

 

 

売上高伸び率

(今年の売上−去年の売上)÷去年の売上×100

 

今年の売上が、去年よりもどれだけ伸びたかを示す数値です。この比率が高いほど、成長している企業ということになります。この数値は短期的に見るのではなくて、過去5年ほどの数値を比較して推移を見るようにしてください。

 

 

営業利益

売上総利益−経費

 

営業利益とは、売上総利益から経費を差し引いたものです。営業利益を見ることで、その会社がどれくらいの利益を出しているのかを知ることができます。会社の安定性を測ることができますから、必ずチェックするようにしましょう。

 

また、過去3期分の推移を確認して、どれだけ伸びているかを確認することも大切です。大きな利益を出していても、毎年減少していれば成長性が低いことになります。

 

 

ROA(総資本利益率)

純利益÷総資産×100

 

事業に投下されている資産が、どれだけの利益を生み出したかを示す指標です。これを見ることで、どれだけ効率的に収益を生んでいるかが分かります。この数値が高ければ、安定性が高い企業だと言えるでしょう。

 

目安としては、最低でも5%くらいは欲しいですね。10%以上であれば、理想的な経営状態となります。

 

 

ROE(株主資本利益率)

当期純利益÷株主資本×100

 

株主資本を使って、どれだけの利益を出したのかを示す指標です。投資による利回りを表しているので、これが高ければ投資家からの人気が高い企業となります。株価の上昇にもつながりますから、今後の成長がかなり期待できます。

 

目安としては、10%が最低ラインとなりますね。15%を超えてきたら、優秀な企業だと言えると思います。

 

 

経営方針のチェック

 

しっかりとした理念を持っているか

 

会社のホームページなどを見て、経営理念を確認してください。そこに書かれている理念に、自分自身が共感できるかということが大切です。そして、そこに社会的価値があるのかどうかも重要となります。

 

また、経営者の経歴や人物像なども、しっかりと確認しておいた方が良いでしょう。新しいベンチャー企業だと、利益だけを目的として運営している場合も少なくありません。そういった会社だと寿命も短いでしょうから、安定性としては疑問が残ります。

 

 

離職率が高すぎないか

 

企業の面接を受ける前に、離職率なども調べておく必要があります。最近では、ブラック企業の存在が社会問題となっていますね。過酷な労働環境の会社では、必然的に離職率が高くなっているので事前に確認しないといけません。

 

離職率は正確に調べることは難しいですが、有価証券報告書を見ればおおよその見当が付くはずです。従業員の平均勤続年数と平均年齢が記載されていますから、そこから推測するようにしましょう。

 

上場していない会社であれば、「転職会議」というサイトで口コミを調べてください。色々な会社の内情が掛かれているサイトなので、そこから離職率の高さなどが分かります。

 

 

新商品や新サービスの展開

 

成長している企業は、新しい商品やサービスをどんどん投入していきます。時代のニーズに柔軟に対応するためには不可欠なことなので、どれくらいの新商品が展開されているかを調べましょう。企業のホームページなどを見ると、ニュースリリースに情報が記載されています。

 

過去1年にどれだけのサービスが登場したかを知れば、意欲的に事業に取り組んでいるかが分かります。

 

 

どんな企業と取引しているか

 

主要な取引先を確認することで、ビジネスの健全性や優位性を知ることができます。たくさんの有名企業と取引をしているなら、それだけマトモな会社だということです。大手の企業は、取引の際に相手企業の信用調査などをしています。

 

なので、大手企業と取引していることで、健全な会社だと言えると思います。また、複数の業界の企業と取引しているなら、それだけ高い技術力と営業力を兼ね備えた企業だということです。

 

 

ウェブサイトの内容が充実しているか

 

会社のホームページを見た時に、内容がしっかりしているかも重要なチェック項目ですね。長い間、更新が止まっていたりするなら、人手が足りていない証拠です。ウェブサイトは会社の顔となるものなので、そこに力を入れていないなら企業体質に問題があるといえるでしょう。

 

その会社の商品やサービス専用のウェブサイトがあると、かなりポイントが高いですね。それなりに力を入れている証拠ですし、企業イメージを大切にしている会社です。その企業について知ることができるので、サイトの隅々まで読み込むようにしてください。

 

 

業界でのシェアはどれくらいなのか

 

業界における商品・サービスのシェア率も、チェックしてみてください。業界研究本などを読むことで、それぞれのシェア率は詳しく調べることができます。トップシェアを獲得しているなら、経営状態は良好だと判断できますよね。

 

他にも、ロングセラー商品を持っている会社は強いでしょう。世間的にも認知度が高いですから、これからも安定的な売り上げを確保できる可能性が高いです。業界の最先端のスキルを身に付けるのであれば、トップシェアの企業を志望するのが確実だといえます。

 

 

重要ポジションに積極的に若手を採用しているか

 

老舗企業に多い傾向ですが、経営者や役員が高齢者ばかりで組織の流動性が少ない場合があります。そういった企業体質だと時代の変化に対応できないことがあるので、幹部に若手を積極登用しているかを見るようにしてください。

 

家族経営となっている企業だと、かなり息苦しい社風であることが多いです。そういった会社でスキルアップを求めるのは難しかったりするので、若手にもチャンスを与えてくれる企業への転職を考えた方が良いと思います。

 

ただし、幹部がコロコロ変わっている場合には注意が必要です。売上が良くない企業だと、経営陣が頻繁に交代していきます。だから、数年ごとに経営者や役員が変わり続けているなら注意してください。

 

 

より正確に企業を判断するには

 

以上で、財務諸表や経営状態のチェック方法を紹介しました。しかし、その企業単体で見たとしても、全体像は見えてきません。なので、同業他社と比較したり、複数年の数値で比較したりすることで、もっと正確に企業の状態を把握することができます。

 

また、今の業績が悪いからダメな会社だと思うのではなくて、今後の成長予測などをして長い視点で企業を見るようにしてください。そうすることで、本当に優れた企業を見分けることができると思います。


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